掛け合い「SHOW TIME!」(30分前後)複数人用


ルール

・一人称、語尾変OK

・使用の際には下にコメントを残していただき、使用先で

「(台本のタイトル)」 

「まつかほの台本」(もしくは「作者まつかほ」)を明記してください。

このホームページのURLも併記してくださると嬉しいです。

・コメント欄に使用場所のリンク等を貼ってくださると僕も聞きに行けるので助かります!

・BGMはご自由につけていただいて構いませんが、BGM作者様がいる場合には許可を取ってからつけてください。

・読めない漢字はご自分でお調べください。

 ・詳しくは台本使用に関する注意事項をお読みください。

 

館主(執事):男(執事の時等、内容に合わせて少し声を変えると後のストーリーが面白くなります。同じ声でもOK。どこで変えるかは演者様の解釈にお任せします。人数確保できるなら人を分けてもいいかも)

如月(ダーク・オウル):男

レディー・ルカ:女

ニードル・ノア:男(少年もしくは幼い男の子声が望ましい)

ボマー・ウォルフ:男


館主ナレーション

『この度、わたくしの館(やかた)にて、ささやかなパーティーを開催する運びとなりました。

 

とても刺激的なパーティーになると思いますので、どうぞ「正装」にてお越し下さいませ。

 

当日はこの招待状をお忘れにならないよう、お気をつけください。

 

追伸

他にも同じような方々をお招きしております。お楽しみに。』

 

 

~3秒くらい間を空ける~

 

 

如月ナレーション

『念入りに裏工作したはずの隠れ家に届いた一通の招待状。威圧的な門をくぐり、金持ちの道楽のような庭を早足で抜ける。指定された時間に来ているはずなのに、他の招待客とはすれ違いもしなかった。スーツ内のポケットにもったいぶった招待状があることを確認して、大きな扉を叩いた。』

 

 

~3秒くらい間を空ける~

 

 

執事「お待ちしておりました。こちらへどうぞ」

 

如月「招待状の確認はしないのか」

 

執事「はい。門に特殊なセンサーを設置しておりまして、招待状に埋め込みました薄型の認証チップにてお客様を識別しております」

 

如月「ほーう?」

 

執事「みなさんお待ちかねですよ、如月様」

 

如月「なっ…!」

 

執事「ご主人様も如月様にお会いするのをそれはそれは楽しみにしていらっしゃいました」 

 

如月「…聞いてもいいか?」

 

執事「わたくしめにお答えできることでしたら」

 

如月「なんで隠れ家や本名まで知っている」

 

執事「それでしたら、ご主人さまから直接お話をお聞きになった方がお早いでしょう。みなさん同じように不信がられておりましたから」

 

如月「つまり今日集まったのは「そういう」奴らなんだな?」

 

執事「左様でございます。如月様の洞察力に判断力、仕事の正確さは常々報告に上がっておりました」

 

如月「どういうことだ?」

 

執事「おっといけませんね。少々話しすぎてしまったようです。さて着きました。こちらへお入りください」

 

如月「…随分と凝った(こった)装飾の扉だな。扉のブロックごとに飾りが違うのはここの主人の趣味か?」

 

執事「よくお気づきで。これは今回のパーティーの為に作らせたのです」

 

如月「ふぅん。随分凝り性な主人なんだな」

 

執事「中に温かいお飲み物ございます。……それでは、失礼いたします。」

 

如月「……あぁ」

 

如月「…………………おい。こりゃどういうことだ…。誰もいないじゃねーか。でかいモニターとテーブルに、椅子が…4脚。座れってことか。ん?この飾り、さっきの扉のブロックと同じだな?青いドレスのコウモリ女…スーツを着た鳥男に銃をかまえる狼男、こいつは…ハリネズミか?………このパーティーの為に作ったって言ってたな。つまり…これは今日招待された奴を表してるってことか…?だとすれば…俺はスーツを着た鳥男だな。じゃ、失礼してっと。それにしても、他の奴らはどこに行ったんだ…………」

 

館主「ようこそ、私の自慢の館へ。招待を受けてくれて嬉しいよ。生きているということは椅子の意味も解ってくれたんだね。嬉しいよ。くつろいでくれているかな?

 

如月「やっぱりなんか仕掛けがあったんだな。他の奴らはいないわモニター越しだわ、怪しい臭いがぷんぷんするな」

 

館主「ふふ。君のような人間なら、今回のパーティーがどういうものか、察しがついているんじゃないのか?」

 

如月「表向きなパーティーじゃないってことは、招待状が来た時からわかってたけどな」

 

館主「きちんと正装で来てくれてよかった。君がスーツで仕事をするっていうのは本当だったんだね」

 

如月「紳士の嗜みさ」

 

館主「楽しみだよ。君が今夜どんな踊りを見せてくれるのか」

 

如月「踊りだと?」

 

館主「そうだ。…続きはモニターを切り替えてからにしよう」

 

如月「なっ!こ、これは・・・!」

 

ルカ「ちょっと!どうなってるの!?」

 

ウォルフ「おいおいおい!こりゃあ面白いメンツが集まってるなぁ!」

 

ノア「カメラ付きモニターってわけですね」

 

 

館主「ようこそみなさん!私の招待を受けてくれて心より感謝いたします。今宵は裏の世界で活躍するみなさんに、椅子取りゲームをしていただきます」

 

ウォルフ「椅子取りゲームだと?」

 

館主「これは、高額報酬依頼をかけた椅子取りゲームです。前金もきちんとお支払いいたします。報酬額は・・・10億」

 

如月「10!?」

 

館主「もちろんお望みの国の通貨でお支払いいたします。今回集まっていただいたのは、レディー・ルカ、ボマー・ウォルフ、ニードル・ノア、ダーク・オウルの4人です。誰しも一度くらいは名前を聞いたことがおありでは?」

 

ルカ「なるほどね…。みんな厄介な相手だわ」

 

館主「もうお気づきですね。そう。今宵の舞踏は椅子取りデスゲーム。生き残った方に高額依頼のチャンスを与えます。それくらい難易度の高い依頼ということです。どうです、早く始めたくてウズウズしてきたんじゃないですか?自分の力量を量るチャンス。もしかしたら恨みを晴らすチャンスでもあるかもしれませんねぇ」

 

如月「つまり、あんたは俺らのボスと繋がりがある。だから隠れ家や名前を知っていた。そして、これはそれぞれのボスに自分を宣伝するチャンスでもあるということだ」

 

館主「エクセレント!ダーク・オウル、あなたは実に話が早い」

 

ルカ「そして、断ることはできないということね。きっと私たちのことは調べ上げられてるでしょうし」

 

ウォルフ「俺ぁ殺り合え(やりあえ)ればなんでもいいぜ!しかも一番になりゃ金ももらえる…文句はねぇ!」

 

ノア「僕はなんでもいいです。ボスの命令がすべてです」

 

ウォルフ「おいおい!そんなんでこの世界やっていけんのかよ。お子様はさっさと降参しな!」

 

館主「あぁ。ちなみに降参やゲームの途中放棄はできません。制限時間は夜明けまで。それ以外のルールはありません。何かご質問はありますか?」

 

ルカ「いいえ?どうせ聞いたところで答えてくれないでしょうし」

 

ウォルフ「さっさと始めようぜ!」

 

ノア「仕事なら手は抜きません」

 

館主「……ダーク・オウル。あなたも準備OKですか?」

 

如月「あ、あぁ」

 

館主「それでは、命を懸けた椅子取りゲーム。スタートです!」

 

如月「なっ!?ぐわぁぁぁぁ!!!」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

如月「いっつぅ…突然床に穴が空きやがった…なんだぁ?こりゃあ、地下、か?なるほどな。地下ならある程度ドンパチしても目立たない…。しかし、ボスがこんな回りくどいことをするだろうか。何かまだ裏がありそうだな。ま、とりあえず動くか…」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

如月「なんだここ。まるで迷路だな。道は広いが…おわっ!なんだこの揺れ…まさかもう誰か始めやがったのか…?」

 

~(以下、戦ってるていの息づかいやアドリブを入れると臨場感が増します。)~

 

ウォルフ「はーはっはぁ!おいおい僕ちゃん!そんなんじゃすぐに死んじまうぜ!?ニードル・ノアって名前は俺も聞いたことあるが、まさかこんな子供だったとはなぁ!!」

 

ノア「ふぅ…あなたは噂通り、うるさい人ですね」

 

ウォルフ「ふん!隠密なんて性に合わねぇんだよ。けたたましく暴れるのが一番だぜ!」

 

ノア「そうやって、関係のない一般の人まで!あなたの低俗な爆弾に巻き込まれて、何人も死んでるんですよ…」

 

ウォルフ「はっ!そこに居るのが悪いんだよ!自分の運命を呪って弱い奴は死ねばいいんだ!!」

 

ノア「本気でそう思ってるんですか?」

 

ウォルフ「うるせーな!そら!どんどん行くぜ!爆弾の雨から逃げられるかな!?」

 

ノア「くっ…!爆風で視界がっ…ぐあぁっ!!」

 

ウォルフ「爆弾に気を取られ過ぎじゃねぇか??俺からすると赤ん坊を相手にしてるみたいだぜ」

 

 

ノア「ひ、ひとつ…質問です。ぐはっ!15年前っ!ノースエリアでやった仕事、覚えてます?」

 

ウォルフ「ノースエリア?15年も前のこと覚えてねぇなぁ?おら!」

 

ノア「うっ!!ごほっ!かはっ…はぁ、はぁ…やはり…肉弾戦では勝ち目が無さそうですね…本当は直接ぶん殴ってやりたかったんですけど…」

 

ウォルフ「おいおい笑わせんなよ!お前みたいなひよっこに俺を殴れるわけねぇだろうが。あ~あ!少しはできるのかと思って手加減したってのに。時間ももったいねぇし次で仕留めさせてもらうぜ。とっておきの爆弾でな!」

 

 

ノア「ふぅ…そう簡単にいくかな?」

 

ウォルフ「何!?な、なんだ…?体が…痺れ…」

 

ノア「僕は針使い。生き物の構造を知り尽くした男。君が近づいてくる度にこの針を四肢の神経に刺しておいたよ」

 

ウォルフ「い、いつの間に…おまえ…わざ、と」

 

ノア「そう、君は必ず相手をいたぶる。その力を見せつけるように。15年前から今までずっと、ずっと!僕は君に復讐することだけ考えて訓練してきた。そのとっておきの爆弾、使えなくて残念だね」

 

ウォルフ「くっそ…さっきから…一体何なんだよ!」

 

ノア「15年前、君はノースエリアに住むターゲットを殺した。もちろん、それは仕事だから文句を言うつもりはない。実際殺されて当然の奴だったし」

 

ウォルフ「くっ…体が…」

 

ノア「僕はね、そいつが住んでた屋敷にいたんだ」

 

ウォルフ「は!?お前…まだガキじゃねぇか!」

 

ノア「僕はそこで、奴隷として飼われていたんだ。ホントに地獄みたいな日々でさ。まぁ僕のことはみんな気味悪がるから、そんな扱い慣れっこになってたんだけど。その屋敷にいたハウスメイドが、こんな僕にもすごく優しくしてくれたんだ。女神だと思ったよ。彼女がいるから、どんな扱いにも耐えられた。でもね、死んじゃったんだ」

 

ウォルフ「死んだ?」

 

ノア「君が使った爆弾。あれに巻き込まれて死んじゃった。…僕のことを人として扱ってくれた優しい人だった。こんな気味の悪い体質の僕に、それが強みになるときが来るって、本気で言ってくれた人だった…ホントだったよ」

 

ウォルフ「なに?」

 

ノア「その後、爆発に巻き込まれた僕を治療してくれた人がたまたまこの世界の人で、僕の体質を武器として育ててくれた。おかげで仕事はすごくしやすかったよ。何せ子供の姿はみんな油断するからね」

 

ウォルフ「…どういうことだ?」

 

ノア「僕はね、大人の体に成長しない体質なんだ。医者には、そういう先天性の病気だって言われたよ。ボスは可愛がってくれてる。君のことを教えてくれたのもボスだよ。それからずっと君に復讐することだけ考えてた。この場を設けてくれて、ボスにはホントに感謝してる。ずっと…彼女の仇をとる機会を待ってたんだ!」

 

ウォルフ「おい待てよ!お、俺が指示された仕事は…殺しじゃねぇぞ!」

 

ノア「…何?今更命乞い?もうろくに動けない体で、見苦しいね」

 

ウォルフ「ち…ちげぇ!俺はボスから、ある人物を救助し、組織まで連れて来るようにって指示を受けたんだ…俺が行った時にはもう辺り一面木っ端微塵だったんだよ!まさかあのガキが、お前だったなんて…全く気がつかなかったぜ」

 

ノア「どういうこと?殺しの仕事じゃなかった?君のボスが僕を?でも僕らの組織はお互いに敵対しているはず」

 

ウォルフ「俺が知るかよ!とにかく!俺は仕事を全うしただけだ!」

 

ノア「…というか君、よくしゃべるね。象でもすぐに倒れる神経毒も塗ってあったのに。」

 

ウォルフ「…ぐふっ…俺は…毒にも耐性があるんでな」

 

ノア「なるほど。まぁでももうさすがに立ってられないか。このまま君がゆっくり死ぬのも良いけど、せっかくだから君の爆弾を使おう」

 

ウォルフ「な!やめ…!」

 

ノア「わぁお!たくさん出てくるね。…ふふ、最期に跡形もなく君を吹っ飛ばせるなんて感激だな。さてこの扉を閉めたらさよならだ。じゃあね」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

ルカ「何?この地響き。もしかして貴方、何かした?」

 

如月「俺じゃねえよ。大方(おおかた)ウォルフの奴が暴れてんだろ」

 

ルカ「あら。興味無さげね。」

 

如月「いい女の前だからな。野郎のことなんてどうでもいいさ」

 

ルカ「私を口説いてもムダよ?」

 

如月「いい女でも血に飢えた女はごめんだね」

 

ルカ「酷い言い方ね。まるで私が吸血鬼みたい」

 

如月「実際、吸血鬼って噂もあるじゃねぇか。なんせあんたに殺された奴はみんな衰弱しきって死んで、あんたはいつまでも若い姿のまんまだからな。おぉ怖ぇ」

 

ルカ「失礼ね。みんな最期にはこんな美女に看取られて、最高に気持ち良くなって死ねてるんだからむしろ感謝されたいわ?」

 

如月「自分で美女って言うところが、ナルシストな吸血鬼らしいよな」

 

ルカ「吸血鬼に会ったことがあって?」

 

如月「いいや?」

 

ルカ「ふん。あなたは愛し甲斐がありそうね。さぁ、最高に熱い殺し愛を始めましょう!」

 

如月「女を殺すのは主義に反するんだが…致し方ないか。ダンスといこうか、レディー?」

 

 ルカ「そういえばあなた、こんな暗い地下でどうしてずっとサングラスをしているの?お洒落のつもり?」

 

如月「…企業秘密♡」

 

(以下、戦ってるていの息づかいやアドリブを入れると臨場感が増します。)

 

ルカ「ふん!すぐにあなたの素顔を晒してあげるわ!」

 

如月「おおっと。その扇子。特製だな?」

 

ルカ「ふふふ。切れ味抜群よ?あなたの首なら一瞬ね」

 

如月「よっと!怖いねぇ。こちらのお姫様はいろんなダンスがお得意のようで。いや、女王様か」

 

ルカ「くっ…ちょっと!避けてばかりなんてつまんないダンスしてんじゃないわよ!」

 

如月「これも一応俺のスタイルなんでね」

 

ルカ「強がり?私の攻撃を避けるのが精一杯のくせに。ハァっ!」

 

如月「おおっと今のは危ねぇ!いやはや、この世界の女ってのは強気でいけない」

 

ルカ「ふん!強い女は要らないとかそういう差別?だったら本気で切り刻みにいくわよ!!」

 

如月「ぐっ…!強い女は、むしろ歓迎だね。だが!お前はもう俺を認識できない」

 

ルカ「何!?」

 

如月「これからは狩りの時間だ」

 

ルカ「ちょ、何処撃ってんのよ!!何も見えないじゃない!!」

 

如月「俺は闇の中で獲物を狩るフクロウ。だが俺は目が見えないんでね。これでおあいこだ」

 

ルカ「なんですって!?だって今まで普通に…!」

 

如月「目が見えないから人よりも厳しい鍛錬をしてる。目が見えないってのはハンデでもあるが、それは踊る舞台を間違えてるだけさ。俺の舞台は闇。特にあんたみたいな強気で自信家相手なら闇に紛れる方が狩りやすい」

 

ルカ「…私をずっと観察してたって訳ね」

 

如月「そ」

 

ルカ「見くびられたものね。このくらいのことで動揺すると思って?」

 

如月「思ってないね。何せ俺は慎重な男だ。」

 

ルカ「暗闇でもすぐに目が慣れるのはプロとして当たり前。気配でもあなたがどこに居るかわかるわよ」

 

如月「…の割にはまだ俺のことを見つけられていないようだが?」

 

ルカ「くっ…(どういうこと、さっきから声のする位置が全然違う。足音はしないのに!)」

 

如月「言ったろう、俺はフクロウだって」

 

ルカ「上!?」

 

如月「GOOD NIGHT, LADY.」

 

 ~3秒くらい間を空ける~

 

如月「さて…随分長いこと歩かされてるな…さっさとこの趣味の悪いゲームを終わらせたいんだが」

 

ノア「全くもって同感ですね」

 

如月「おわっ!?お前!!」

 

ノア「この道を行っても行き止まりです。そしてこっちは僕が来た道。これの意味することが解りますか?」

 

如月「…道は一本。つまり隠し部屋かなんかがあるのかな?」

 

ノア「そう思ってひと通り調べておきましたがめぼしいものは見当たりませんでした」

 

如月「始まる前にもちょっとした余興があったな。ノア、この辺りで動物人間のモチーフが施されてないか?」

 

ノア「あの、最初の椅子のような?」

 

如月「そうだ。多分簡単に見つからない場所だとは思うが…」

 

ノア「となると…有りました。交差した通路の真ん中、天井に1枚」

 

如月「なるほど。こりゃあ俺たちが残るって予想してたな」

 

ノア「まぁあのお2人とは話が冷静にできるとは僕も思いませんが」

 

如月「そこまでは言ってないぜ?なんにせよ、あれを壊してみるか。ノア下がってろ」

 

ノア「言われなくとも」

 

~1発の銃声が響く~

 

如月「なんだ!?この地響きは!?」

 

ノア「この奥からです!突き当たりの!」

 

如月「やっぱり隠し部屋があったか」

 

ノア「行ってみましょう」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

ノア「な、なんですかこの部屋」

 

如月「どうやら館主様の根城って感じだな。金を持ってそうな奴の趣味だぜ」

 

館主「随分な言い草だな、ダークオウル。もうちょっとスマートな紳士だと思ったが?」

 

如月「あんなゲームをやらされちゃ、さすがの俺もスマートにはいられないね」

 

館主「ふっ。だがこの部屋を見つけたのは驚嘆に値する。しかも2人一緒に」

 

ノア「この場合、僕たちはどうなるんでしょう」

 

館主「本来のルールならば1人になるまでやり合ってもらうんだが…仕方ない」

 

~館主が指を鳴らす~

 

如月「な、なんだ!?こいつらどっから湧いてきた!?」

 

ノア「完全武装…つまり2人とも始末する、ということですね?」

 

館主「悪く思うなよ?こちらもビジネスなんでね。…やれ!!」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

館主「なんだ!?どうして!!撃つのはこいつらだ!!なぜ命令の途中で仲間を撃った!?」

 

如月「くくく…とんだお笑い種(ぐさ)だな、館主様?」

 

館主「どうなっている…」

 

ノア「あぁ、それは簡単なことさ」

 

館主「なに…!?」

 

ルカ「はーい♪ボス。もう胸潰してこの服着てるの限界よ。紛れ込むのも大変だったんだから。さっさと片付けちゃって」

 

ウォルフ「こいつ文句ばっかり言いやがってうるせぇのなんの」

 

館主「どういうことだ…この2人は!」

 

如月「死んだふりをしてた方が動きやすいからな。2人には裏方を頼んだってわけ。地下と言っても出入りするための通路や部下の待機場所があるのがお決まりだからな。こんなに手が込んでる『保身』の方法を長年取ってきてるあんたなら当然…な?」

 

館主「貴様ら…一体…」

 

如月「何処まで知ってるのかって?ぜーんぶ知ってるぜ?あんたが執事のふりして俺らの前に出てきた時はさすがに驚いたが。ホントに我らがボスは悪趣味だ」

 

ノア「僕も自分の目で見るまで信じられませんでしたけど…まさか敵対しあっていると思っていたそれぞれの組織のボスが同一人物で、副大統領だったなんて…ね」

 

館主「……っくくく…はははははっ!ファビュラス!!!最高だよ君たち!それじゃあ説明してみてくれ!君たちの持ってる情報とやらを」

 

如月「随分余裕だな。…俺たちは半年前、ある情報を手にしてから密かに行動を共にして、その情報の正確さを探り、動いてきた。信じられないことだったが、ボス、あんたからの招待状が届いてそれは確信になった」

 

ルカ「私たちは5年前、最愛にして当時組織最強と言われていた師をそれぞれ失ったの。というより、行方不明になったわ。みんな私たちにとって家族同然のような人たちよ」

 

ノア「任務で居なくなることはしょっちゅうある。でも、僕たちの元に不審なデータが届いた。ぱっと見ではなんのことか解らないように暗号化されていたけどね」

 

如月「俺の優秀な弟子があっという間に解析してくれたよ。もっとも、あいつ曰く『食事を作る方が難解』だそうだが」

 

ウォルフ「こいつから『変なデータが届いてないか』って連絡来たときは心底驚いたぜ。どうやって俺の連絡先を手に入れたのかってな」

 

ルカ「それぞれのデータを照らし合わせてみてホントに驚いたわ。だってそうでしょ?私たちのボスが同一人物ってだけでも信じられないのに、若いイレイザーが育ってくるとその時の最も力のある者を『皆殺し』にしているなんて。ちゃんと後継者も『準備』してね。…自分の秘密がばれて首を切られないようにする為だけに!」

 

ノア「でも結局ばれた。こんな茶番、ばれない方がそもそも難しいけど。僕たちが思い込んでいた『真実』は偽物だった。…僕はずっと!本当の仇をボスと言って慕っていたんだ…!師匠は…師匠は危険を承知で!ボス、いや、あんたを殺しに行った!!」

 

如月「俺たちの師は手を組み、あんたを殺してこんな馬鹿げた事を終わらせようとした。でも、上手くいかなかった…」

 

館主「そうだ。あいつらが嗅ぎ回っているのは知っていた。だから言ってやった。『君たちの弟子に手は出さない。その代わり君たちの命をもってその情報は封印せよ。もし従わなければ君たちの目の前で、弟子達を最も悲惨な方法で殺そう』ってね。」

 

ウォルフ「だが!俺の師匠がそんな口約束信じるわけがっ!」

 

館主「忘れたか?私は君たちのボスだ。もう長いこと私はこの難しい役職を『やってのけている』。それだけで十分な脅しになると思うが?なぁレディー?」

 

ルカ「…えぇ…最後に会った時、任務に行ってくると言った姉様(ねえさま)は小さく付け加えたわ。『ボスには絶対服従よ』って」

 

館主「彼女の躾は苦労したからね、色々と」

 

ルカ「っ…!反吐が出る!!」

 

(ルカを制するように)

如月「そして、師匠達は命令通りにした。でもあんたは情報が俺たちに漏れていると踏んで動いた」

 

館主「そうだ。確かに君たちの師匠の絶命はこの目で確認したがね。だが君たちの様子を見てもなんの動きもない。仕方なく君たちをお気に入りにして監視した。まさか5年も経ってから情報が渡るようになっていたとはな」

 

ウォルフ「なんて奴だ…!このくそが!!」

 

館主「君たちこそ、なかなかに名演技を見せてくれたじゃないか。すっかり騙されてしまった。カメラを壊して闘技場を映さないようにしたのもわざとだな?」

 

ノア「お喋りはそのくらいにして、反吐の出るこの真実とやらを終わらせよう」

 

如月「ひとつ聞く。最後の闘技場を用意していなかったのはなぜだ」

 

館主「そんなことが気になるのか?最後は君たちが残って2人でこの部屋を見つけると踏んでいた。最後にすべてを話して絶望しきった2人の顔をワインのお供にするつもりだったんだがな。いつも冷静な人間の絶望の顔は格別だろう?」

 

如月「…あぁ。あんたの絶望の顔は最高だろうよ」

 

館主「何?…どういう意味だ?」

 

如月「言ったろ?俺の弟子は優秀だって。大方、大統領に言って、組織ごと始末するつもりだったんだろうが…自慢のパソコンでネット中継を見てみな!」

 

館主「……こ、これは…!」

 

ルカ「ふふ、確かにその顔はたまらないわね?」

 

如月「『副大統領驚愕の裏の顔!世界を揺るがす大スキャンダル!!大統領の座を狙った暗躍か』陳腐な見出しだが、一般人の拡散速度は恐ろしいからなぁ。今頃あんたの地位も名誉も、下手すりゃ人権も無くなってるな」

 

ウォルフ「殺すのは簡単だが、それじゃあ面白くねぇ」

 

館主「…ネットに晒されているということは、貴様らのことも明るみになるんだぞ」

 

ノア「ふん!そんなヘマ、僕たちがするもんか。ちゃんと大統領直々に許可を貰ってるのさ」

 

ルカ「私の弟子は最高よ?同じ女として嫉妬しちゃうくらい。やっぱり次世代には敵わないわ」

 

如月「それじゃ、迎えのヘリも来たようだし、ここらでこのクラッシュダンスを終いにしよう。……フィニッシュだ」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

ウォルフ「おいおいおい!配信切った瞬間ズドンと行きやがって!!どうすんだよ、生きたまま拘束が俺たちの安全と次のポストの条件だっただろうが!」

 

如月「お前意外と新しい主人に尻尾振るの早いのな。大統領が言ったのは『私の命を脅かす者の徹底的な排除。失敗した者は要らない』。もちろん大統領もこの件には絡んでいただろうが…あいつはトカゲの尻尾切りにあったのさ」

 

ウォルフ「ごちゃごちゃうるせぇ!俺たちの弟子の命がかかってんだぞ!」

 

ノア「仲間意識が強いのも犬っぽいですね」

 

ウォルフ「俺はオオカミだ!!!」

 

ルカ「うるさいわね!耳元で叫ばないでちょうだい!また権力に縛られたいなんてよっぽどドMな雄犬なのかしら?」

 

如月「弟子達の安全はきちんと保証されてる。それにあいつらはまだ実戦経験も少ない。今回の手柄は全部弟子達にあるように仕込んどいたから、帳消しになって快く迎えられるだろうよ。俺の弟子が全部面倒な役を買って出てくれた。だが俺たちはそういうわけにいかんだろうなぁ。こいつも『間違って』殺しちまったし、これだけ晒されれば今まで殺った奴らの家族やら何やらが何かしらを嗅ぎつけて黙ってない。殺ったのはクズばかりだったが、クズでも生きてりゃ愛されることもある。大統領にとってもそんな俺らを抱えるのはリスクだ。だから、俺らはこのまま蒸発するのさ。その為にパスポート貰ったんだぞ?ま、それが大統領の『お好みのやり方』だ。幸い弟子達は優秀だしな。贔屓にしてもらえるだろうよ」

 

ウォルフ「え、そうだったのか?俺ぁてっきり…まぁ弟子達が安全ならそれでいい。で、どうする?」

 

如月「そうだな。どっかで生きて落ち合えたら、お前のお勧めのハンバーガー屋に連れてってくれよ」

 

ウォルフ「ふん!そんときゃ全員分おごってやるよ」

 

ルカ「あら気前が良いのね。さっきのは撤回するわ」

 

ノア「僕はピクルスが苦手です」

 

ウォルフ「てめぇさっき大人だって言ってたよな!?好き嫌いしてんじゃねぇよ!!」

 

ノア「頭の固い人ですね。何時代の人ですか?」

 

如月「まぁまぁ。さ、そろそろ俺らも逃げないと。次の舞台で踊るとしようぜ。IT'S SHOW TIME!!」


時間は目安です。台詞の読み方等によって前後します。

 

戦闘物って台詞だけで書くの難しいですね!

全編戦闘物って初めての試みだったので、好きな人からすれば色々言いたいことも有るでしょうけど…全然戦闘シーン少ないし…やっぱり難しい!!よく小説は読むのになぁ。

日々精進!

使用コメント、感想、解釈コメントお待ちしてます♪(誤字脱字があればこっそり教えてください笑)