掛け合い「星になった物語」1章第3話(15~20分前後)(複数人用)


ルール

・一人称、語尾変OK

・使用の際には下にコメントを残していただき、使用先で

「(台本のタイトル)」 

「まつかほの台本」(もしくは「作者まつかほ」)を明記してください。

このホームページのURLも併記してくださると嬉しいです。

・コメント欄に使用場所のリンク等を貼ってくださると僕も聞きに行けるので助かります!

・BGMはご自由につけていただいて構いませんが、BGM作者様がいる場合には許可を取ってからつけてください。

・読めない漢字はご自分でお調べください。

 ・本文のコピペは禁止しております。どうしても必要な場合はお問い合わせください。

・詳しくは台本使用に関する注意事項をお読みください。

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 星座にまつわる神話を触れやすいひとつのシリーズに改編してお送りする、「星になった物語シリーズ」第1章。

 

第3話はかんむり座に記された恋物語。

ミノタウロスとの戦いを終えたテセウス達は休息の為にコップ座のディオニュソスの島へ立ち寄ります。

美しいかんむり座のお話に恋心を重ねたくなるかもしれません。

星座のリクエストや感想など、ぜひコメント欄で教えてくださいね。

 

N:ナレーター。男女不問。兼役可。

ディオニュソス:少年~青年声の男性。(出せるなら女性でも可)

アリアドネ:若い声の女性。

テセウス:青年声の男性。(出せるなら女性でも可)

アイゲウス王:壮年~老年声の男性。

イリニばぁさん:老年声の女性。兼役可。

世話役:壮年~老年声。男女不問。兼役可。

 (笛の音もあると臨場感が増します。)


 

N

「星になった物語、第3話へようこそ。また聴きに来てくださったんですね。第2話は牛と人間のハーフ、ミノタウロスから人々を救った王子と王女のお話でした。第3話では、その王女と美しいかんむりのお話を、お届けいたしましょう。王子の故郷へと帰る途中、第1話に登場したコップ座のディオニュソスの島へ立ち寄ったところから始まります。」 

 

~4秒くらい間を空ける~
 
ディオニュソス
「やぁ、アイゲウス王とテセウスくん。元気だった?」

アイゲウス王
「お陰様で。ディオニュソス様もお変わりなきようで。」

ディオニュソス
「うん。元気にやってるよ。この前はお父様が来て大変だったけど。」

アイゲウス王
「おぉ。それは賑やかだったことでしょう。」

テセウス
「この度は急な訪問にも関わらず、泊めてくださるとのこと、感謝いたします。」

ディオニュソス
「全然構わないよ。それより君の国は毎年生贄をクレタ島に送ってたんでしょ?」


世話役
「ディオニュソス様!またそのような失礼なことを!」

ディオニュソス
「だって気になるじゃん。さっき来た人の話だと君が救ったってことだったし。」

アイゲウス王
「ディオニュソス様。その話は長くなりますゆえ、夕食の時にでもお話いたしましょう。テセウスに妻を迎えることにもなりましたので、一緒にご紹介いたします。」

ディオニュソス
「おぉ!そうだったね!そんなことも言ってたよ。早急に祝宴の準備にかかろう。僕もそろそろ結婚したいなぁと思ってたんだ。ゆっくり聞かせてよ。」

テセウス
「はい。ありがとうございます。後から到着しますので、その時に改めてご紹介いたします。」

 

〜4秒くらい間を空ける〜

アリアドネ
「本日は急なお願いにも関わらず、迎え入れてくださりありがとうございます。」

ディオニュソス
「やぁ!なんて綺麗な人なんだ!君がテセウスの奥さんになる人なんだね!具合はどうだい?」

アリアドネ
「はい。お陰様で随分と良くなりました。」

ディオニュソス
「この辺の海は波が荒いから、慣れてない人にはつらいかもね。今日はゆっくり休むといいよ。食べ物は君の部屋に運ばせよう。」

アリアドネ
「お心遣いありがとうございます。お言葉に甘えて休ませていただきます。」

 

テセウス
「そういえば、この島には腕の良い占術師がいらっしゃるとか。」

ディオニュソス
「あぁ。イリニばぁさんのことかな?占ってもらいたいことがあるの?」

テセウス
「はい。アテネの今後を占っていただきたいのです。」

ディオニュソス
「いいよ。面白そうだし。夕食の時にでも呼んでおくよ。」

〜4秒くらい間を空ける〜

アイゲウス王
「いやぁ!これは素晴らしい!食べ物もワインもどれも美味しいものばかりです!」

ディオニュソス
「お口にあって嬉しいよ。今年のワインは特に出来が良くてね。ところで、アリアドネさんの具合はどう?」

 

テセウス
「はい。部屋でぐっすりと休んでおります。」

ディオニュソス
「それなら良かった。明日には良くなってるよ。あ、そういえば、イリニばぁさんなんだけど、着くのがもう少し遅くなるらしいんだ。着いたら君の部屋に通してもいいかな?」

テセウス
「もちろんです。」

ディオニュソス
「わかった。そう伝えておくね。とりあえずお腹いっぱい食べてよ。それで、クレタ島で何があったのか話してくれる?」
 
 ~4秒くらい間を空ける~
 
(ドアを叩く音)

テセウス

「お、イリニ様かな?お入りください。」

イリニ
「遅くなってしまって申し訳ありません。占術を嗜(たしな)んでいるイリニと申します。」

テセウス
「あなたがイリニ様ですね!お待ちしておりました。」

イリニ
「ほっほっほ。そんなかしこまらずに、ディオニュソス様のようにイリニばぁさんとでもお呼びください。」

テセウス
「ありがとうイリニばぁさん。早速占ってもらいたいんだけどいいかな?」

イリニ
「アテネの行く末ですね?」

 

テセウス
「さすが、話が早い!」

イリニ
「ぜーんぶ占いでわかっておりましたから。」

テセウス
「恐れ入ったよ。それで?アテネはこれからどうなる?」

イリニ
「星が教えております。アテネは今後さらなる飛躍をもって栄(さか)えるでしょう。テセウス様の今回の働きにより、アテネには富と健康がもたらされます。しかし…」

テセウス
「しかし…しかしなんです?」

イリニ
「新しく迎える女を国に入れると不幸が襲いかかる。国をも揺るがすその不幸によって、アテネは滅びるだろう…。」

 

テセウス
「な、なんだって!?女というのはアリアドネのことか!?」

イリニ
「そのようです。テセウス様が婚約なさったその女は、アテネに不幸をもたらすと、星が伝えております。」

テセウス
「なんということだ…。これは神のお告げなのか…。愛した女性が国を不幸にするなど…。」

イリニ
「星は嘘をつきません。ですがどうするかを決めるのはテセウス様でございます。」

テセウス
「くっ……イリニばぁさん、ありがとう。私は将来、国を治める者として、決断をしなくてはならないようだ。…お父様のところへ行こう。行動は早いに越したことはない。」

 

(テセウス、部屋を出る)

 

イリニ

「…おやおや、最後まで聞かずに行ってしまわれた。それも星の定め。私は見届けましょう。」

 

~4秒くらい間を空ける~
 
アリアドネ
「ふぁぁ……。少々休み過ぎてしまったようですね。テセウス様はどうなさったのかしら。昨日から、ろくにお話もできていない気がする…。」

(ドアを叩く音)
 アリアドネ
「テセウス様かしら。どうぞ!」

ディオニュソス
「おはよう、アリアドネさん。よく眠れたかい?」

アリアドネ
「あら、ディオニュソス様。おはようございます。すっかりお世話になってしまって。お陰様で体調も落ち着きました。」

 

ディオニュソス
「それは良かった。そういえば、朝食にみんなを招待しようと思って探してるんだけど、どこにも見当たらないんだ。」

アリアドネ
「なんですって!?」

ディオニュソス
「……どうやらどこへ行ったか君も知らないみたいだね。港を見に行こう。君も来る?」

アリアドネ
「…はい。ご一緒してもよろしいですか?」

ディオニュソス
「もちろんさ。君みたいに綺麗な人が一緒に来てくれたら嬉しいよ。」

〜4秒くらい間を空ける〜

ディオニュソス
「…やっぱりいないね、船。夜中のうちに出発したんだ。」

 

アリアドネ
「なんてこと…。まさか…テセウス様に置き去りにされるなんて…。一緒にアテネへ行くと…愛してるとおっしゃってくださったのに…なぜこんな…酷い仕打ちを…。」

ディオニュソス
「もしかしたら昨日イリニばぁさんの占いで何か言われたのかなぁ。」

アリアドネ
「私はこれからどうしたら……クレタへも帰れず…アテネへも行けず…あんまりですわ……ですから嫌な予感がすると申し上げたのに…あの人はご自分の成し遂げた偉業で心が大きくなったのです…。」

ディオニュソス
「そうみたいだね。でも、もしかしたら何かあって一旦帰っただけかも。君の具合が悪いと思って気を遣ったんじゃない?」

アリアドネ
「それでも、言伝(ことづて)も何もなく行ってしまわれるなんて…」

 

ディオニュソス

「ま、確かにそれは道理から外れてるね。僕は人じゃないからその辺の思考は想像もつかないけど。」

 

アリアドネ

「あの人に迷宮を抜ける知恵を与えたのは私なのに……あの人にはもう国しか見えていないのね…。」

 

ディオニュソス
「そんなに泣かないで。君がテセウスくんを助けたってのは聞かなかったな。昨日の話で府に落ちなかったのはそこだね。ねぇ、気を落とさないで。君はそんなに美しくて聡明なんだ。それに若い。」

アリアドネ
「でも…私には行くところがありません……もう帰る場所が無いのです…。」

ディオニュソス
「それならここにいればいいよ。君のような女性なら大歓迎さ。それにテセウスくんが話さなかったところも聞きたいし。」

アリアドネ
「しかし…ずっとお世話になるわけには…。」

ディオニュソス
「わからない?僕と結婚してって言ってるんだよ。」

 

アリアドネ

「え?あの、それは…」

 

ディオニュソス

「不躾かなとは思うけどさ。でも僕は最初に会った時から君のこと綺麗だなって思って惹かれてたんだ。なかなかに芯が強そうなところも気に入ったし、賢さも備えてる君と結婚できたら、僕はおしゃべり相手に困らなくて済むよ。」

 

アリアドネ

「…ディオニュソス様は確かにお美しいですし、とてもご親切にしてくださっています。本当に感謝しております。でも…私は、テセウス様に心を捧げたのです…。ですから」

 

(遮るように)

ディオニュソス

「でも、そのテセウスくんは国と君とを天秤にかけてこの現状でしょ?結局そこまで愛されていなかったんじゃ」

 

(遮るように)

アリアドネ

「やめてください!テセウス様は…愛していると…!」(泣き崩れる)

 

ディオニュソス

「ごめん…泣かせたかったわけじゃないんだ…ううん困ったな…。聞いて。僕と結婚しないかと言ったのは同情したからでも、気まぐれを起こしたからでもないよ。君を一目見て心を奪われて、一緒にいたいと思ったんだ。もっとお喋りしたいと思ったし、この一晩君の体調が心配で眠れないくらいだったんだよ。だから僕は今テセウスくんにとても怒っているし、逆に感謝もしてる。僕にとって君以上の人はいないよ。あ…ごめん、喋りすぎたよね。君の気持ちを考えれば複雑だろうなってわかるけど、こんな気持ち初めてだから…。」

 

アリアドネ

「いえ…身に余るお言葉の数々、本当に有難うございます。ですが…捨てられた女を妻に迎えてはディオニュソス様のご評判が…」

 

ディオニュソス

「へぇ。この状況でそんなところまで気が回るんだ。やっぱり君は魅力的だね。ますます好きになったよ。君の気持ちが落ち着いたらまた改めて話をさせて?」

 

アリアドネ

「…はい。」

 

ディオニュソス

「もちろん、そういうのを抜きにしてもこの島にいてくれて構わない。君のように強くて賢い女性なら大歓迎だよ。島のみんなにもあとで紹介しよう。」

 

アリアドネ

「…何から何まで本当に有難うございます。あの…よろしければ、島を案内していただけませんか?引きこもっているよりも、外の空気を吸っていた方が気がまぎれますし…。」

 

ディオニュソス

「それいいね!島を案内しながら、君のことも教えてよ。もっと好きになるのは明白だけど、君の好きなものとか嫌いなものとか知りたいなぁ。」

 

アリアドネ

「それでしたら、ディオニュソス様のこともお話しください。この島のワインは私の国でも有名ですが、ディオニュソス様とお会いするのは今回が初めてですから…。」

 

ディオニュソス

「あ、それもそうか。それじゃあ早速行こう!最後は僕のとっておきの場所に案内するよ。」

 

アリアドネ

「有難うございます。」

 

~4秒くらい間を空ける~

 

ディオニュソス

「おはよう!気分はどう?連日連れ回しちゃってごめんね。」

 

アリアドネ

「ディオニュソス様。おはようございます。随分落ち着いて参りました。丁寧に案内してくださって本当に有難うございます。島の皆さんも、とても良くしてくださって…」

 

ディオニュソス

「みんな気のいい人たちだから。」

 

アリアドネ

「ディオニュソス様は、とても慕われているのですね。」

 

ディオニュソス

「世話役には、もっと威厳を持ちなさい!って怒られるけどね。」

 

アリアドネ

「ふふふ。とても似ています。」

 

ディオニュソス

「ホント!?僕は堅苦しいの嫌いでさ。でも君と喋ってると難しいこと考えないでいられるから楽だよ。誰と喋ってるよりもなんか楽しい。」

 

アリアドネ

「光栄でございます。…最初のうちはテセウス様を思い出してとてもつらかったのですが…みなさんとお話しているうちに少しずつ心が解(ほど)けていくようでした。私もディオニュソス様とお話しするのは楽しいです。」

 

ディオニュソス

「それは良かった。ねぇ、今日は僕のとっておきの場所に連れて行くよ。少し遠いから、すぐにでも行こう!」

 

アリアドネ

「最後にと仰っていた場所ですね。とても楽しみにしておりました!」

 

ディオニュソス

「覚えていたの?ほんとに君は素敵だね!さ、準備をしてきて!」

 

~4秒くらい間を空ける~

 

ディオニュソス

「着いたよ!ここからは道も悪いし少し歩くから、僕の手を。」

 

アリアドネ

「そんな!ディオニュソス様のお手をお借りするなど畏れ多くて…」

 

ディオニュソス

「いいんだよ。堅苦しいのは嫌いって言ったでしょ?さ、手を掴んで。」

 

アリアドネ

「…はい。それでは、お言葉に甘えて…」

 

ディオニュソス「よし!じゃあ行こうか。」

 

~4秒くらい間を空ける~

 

アリアドネ

「きゃあっ!」

 

ディオニュソス

「おっと!大丈夫?」

 

アリアドネ

「はい…足を滑らせてしまいました。」

 

ディオニュソス

「手を握ってて良かった。さぁ着いたよ!改めて、僕の島へようこそ!」

 

アリアドネ

「まぁ!なんて、なんて素晴らしい眺めなの!ディオニュソス様と回った島の様子が全部見渡せる…!」

 

ディオニュソス

「喜んでもらえて良かった。ここは1人でボーっとするのにちょうどいいんだ。」

 

アリアドネ

「お1人で?お付きの方は…」

 

ディオニュソス

「来ないよ。ここで、この島の人たちを幸せに導いてあげられてるのか…なんて真面目に考えてるなんて恥ずかしくて言えないでしょ?」

 

アリアドネ

「でも、考え事は言葉にした方が具体的になることの方が多いのではありません?」

 

ディオニュソス

「君もそう思う?だからずっと話し相手が欲しかったんだ。気負わずに、なんでも話し合える人が。」

 

アリアドネ

「…」

 

ディオニュソス

「君は聡い(さとい)。もうわかってると思うけど、僕の気持ちは初めて会ったときから変わってない。むしろどんどん大きくなってるよ。」

 

アリアドネ

「はい…。身に余るお言葉です…。ですが」

 

ディオニュソス(遮るように)

「僕の評判が、でしょ?君も気づいてるんじゃない?この島の人たちが僕をどう思ってるか。それに、君はどこに連れて行っても素晴らしい対応をしてくれた。君を悪く言う人はどこにもいないよ。身分も申し分ないから、お父様もお母様も世話役たちもうるさく言わないだろうし。」

 

アリアドネ

「ゼ、ゼウス様もですか?」

 

ディオニュソス

「うん。むしろ、君みたいに綺麗な人はお父様がほっておかないだろうなぁ。お父様は女好きだから。…ねぇ、君は僕のこと嫌い?」

 

アリアドネ

「とんでもない!こんなに良くしていただいて、たくさんのお言葉を頂いて、嫌いなわけがありません。ただ、どうするべきか決めあぐねているだけで…」

 

ディオニュソス

「どうするべきかなんて決まってるよ。あ、そうだ!君にプレゼントがあるんだ。ちょっと待ってね。」(笛を吹く)

 

~3秒くらい間を空ける~

 

アリアドネ

「ディ、ディオニュソス様!?これは一体…!?」

 

ディオニュソス

「僕は動物や植物たちとも仲が良いんだ。笛を吹けば植物も自在に操れる。この島の果物はとても綺麗でしょ?だから蔦(つる)と果物で形を作って…仕上げにもう一回笛を吹けば…」

 

~3秒くらい間を空ける~

 

アリアドネ

「なんて…なんて綺麗なの…まさかこんな…立派なかんむりになるなんて!」

 

ディオニュソス

「蔦(つる)は金(きん)に、果物は宝石に。これは君だけの特別なかんむり。金も宝石ももちろん本物だよ。でもこれは人に見せるなってきつくお父様から言われていてね。争いの元になるから。だから、これは僕の愛の証明。お父様に雷を落とされてもいいくらい、君を愛していることの証明に。君は賢いから、きっとこれを見ても悪用とかしないだろうし。」

 

アリアドネ

「あぁ…ディオニュソス様…なんと愛情深いお方…本当に私で良いのですか?」

 

ディオニュソス

「この島の女王として、このかんむりを被ってくれる?」

 

アリアドネ

「もちろんです。この命が果てるまで、ディオニュソス様のお話し相手を務めさせてください。王子に捨てられた女にも偏見なく良くしてくださったこの島の人たちの幸せのために、できることを一生懸命いたします。」

 

ディオニュソス

「やったぁ!おっと、こんなはしゃいだらまた世話役に怒られちゃうね。でも顔が緩んじゃうのは許してほしいな。お父様たちにも報告しよう。絶対喜んでくれるぞ。それから、記念にこの話を星座にしてもらおう!僕たちの出会いを遥か後世にまで伝えるんだ。」

 

アリアドネ

「ふふ、ディオニュソス様はロマンチストなんですね。」

 

ディオニュソス

「そうかな!?何か記念らしい催しもしたいなぁ。」

 

アリアドネ

「では、音楽祭を開いてはいかがでしょう?そこで一番優秀な演奏者には褒美を持たせるとお触れを出せば、あちこちから腕に自信のある者がやって来て賑やかな祭典になると思います。島も潤いますわ。準備に時間がかかりますので、すぐには開けませんが…」

 

ディオニュソス

「君は天才だ!!音楽は僕も親戚の神々もこの島の人たちも大好きだから大賛成だよ!じゃあすぐにあちこちに知らせて準備に取り掛かろう!」

 

N

「こうして、ディオニュソスとアリアドネは神々や島の人たちに祝福され、夫婦となりました。この話を聞いたゼウスも大層面白がり、ディオニュソスが贈ったかんむりを星座にして、後世に語り継がれるようになりました。そして迎えた音楽祭。腕に自信のある演奏者たちがたくさん集まって、自分が褒美を貰うと息巻いておりました。その中で、琴を持った美しい青年が舞台に立ちます。第4話では、この青年と琴のお話をいたしましょう。懐かしいあの人たちも登場しますよ。」


時間は目安です。 

イリニばぁさんはどこまで占いで知っていたんでしょうね。

テセウスとクレタ島の王のその後の関係は、一旦ご想像にお任せしましょう。

 

第1話から読む方はこちらへどうぞ!