和風朗読台本「彼の地に咲く花」(90秒〜)


ルール

・語尾変OK

・使用の際には下にコメントを残していただき、使用先で「(台本のタイトル)」 「まつかほの台本」(もしくは「作者まつかほ」)を明記してください。このホームページのURLも併記してくださると嬉しいです。

・使用場所のリンク等を貼ってくださると僕も聞きに行けるので助かります!

・BGMはご自由につけていただいて構いませんが、BGM作者様がいる場合には許可を取ってからつけてください。

・読めない漢字はご自分でお調べください。

・詳しくは台本使用に関する注意事項をお読みください。

 


わたしの髪先をさらい

身体を撫でる風に

遠い日の匂いがしています


今、わたしはどこにいるのでしょう


何故、かくも身体が重いのでしょう


重い目先を薄っすらと上げると

空に刺さるほどの鋭い三日月が

星の間をすり抜けて行きます


先ほどの風が強く吹くと

地面に落ちた花びらを天高く舞い上げました

風に任せて頭をもたげると

咲いたそばから花びらを落とす、薄紅色の大樹が

わたしの天を覆っていました


大樹の間から瞬く星光りが

わたしに突き刺さっています


鬼と呼ばれたわたしにとって

なんと誉れ高い光景でしょう

戦の鬼と恐れられたわたしも

あなたを守ったひとりの人として

最期は咲けたでしょうか


わたしの横たわる身体に

花びらが積もります

紅く、染まりながら


願わくば、このまま風になり

あなたの地へと

還りたいものです


時間は目安です。

この台本よりも前の時間軸のお話がこちら(5分)
 
 
鬼と呼ばれた家臣と
帰りを願う若き姫との
切なくも愛に溢れる刹那のお話です。


このお話を全4話にして

家臣の成長と姫様との悲恋を描いた作品の第1話はこちら