朗読「雲の国境」(90秒〜)


ルール

・一人称、語尾変OK

・使用の際には下にコメントを残していただき、使用先で「(台本のタイトル)」 「まつかほの台本」(もしくは「作者まつかほ」)を明記してください。このホームページのURLも併記してくださると嬉しいです。

・使用場所のリンク等を貼ってくださると僕も聞きに行けるので助かります!

・BGMはご自由につけていただいて構いませんが、BGM作者様がいる場合には許可を取ってからつけてください。

・読めない漢字はご自分でお調べください。

・詳しくは台本使用に関する注意事項をお読みください。

 


 

「あの飛行機雲が溶けた向こう側には何があるんだろう」

 

そう言ったあなたの横顔には

青空が映っているようだった

雲1つ無い、澄んだ瞳がまぶたの裏に焼きつく

 

『雲の向こう側は空でしょ?』

 

あなたはちょっと困った顔をして

 

「飛行機雲の中を通った後に広がるのは、きっとみんなが今見てる世界じゃない。みんなに視えない世界だと思う。」

 

難しくてわからない。

でもあなたはとても楽しそうだった。

すぐにでも駆け出して遠くへ行ってしまいそうな程に。

 

「いつか、あの向こう側に行けたら。そしたらどんなだったか話すよ。」

 

もうほとんど溶けてしまった飛行機雲に手を伸ばして

あなたは雲の跡を指でなぞった。

何故だか頬がこそばゆい。

 

その指を撫でるように風が立つ。

そこにもうあなたの魂(こころ)は無く、視えているのはこの空ではない。

 

寂しい。

もう消えてしまった飛行機雲と共に

あなたが消えてしまいそうで。

 

あなたの瞳には

飛行機雲の向こう側が視えていますか。

還ってきたら教えてください。


時間は目安です。

 

句読点の位置はご自由に。

 

別視点Ver.のこちらもどうぞ!(4分半~)

「雲の国境~もう一つの世界~」