朗読「Tear Drops」(90秒〜)


ルール

・性別、一人称、語尾変OK

・使用の際には下にコメントを残していただき、使用先で「(台本のタイトル)」 「まつかほの台本」(もしくは「作者まつかほ」)を明記してください。このホームページのURLも併記してくださると嬉しいです。

・使用場所のリンク等を貼ってくださると僕も聞きに行けるので助かります!

・BGMはご自由につけていただいて構いませんが、BGM作者様がいる場合には許可を取ってからつけてください。

・読めない漢字はご自分でお調べください。

・詳しくは台本使用に関する注意事項をお読みください。

 


昔から雨が嫌いだった

視界は悪くなるし雑音も増える

鈍感になった色んな「感覚(こころ)」を

無理やり研ぎ澄ませないといけなくなる


昔から、雨が嫌いだった

特にこういう土砂降りの日は

ろくなことがない

今だってよくわからない子どもに絡まれている


「お兄さんは、未来のボクだね!?」


雨の日は、嫌いだ


「ボクはね、大人になったらどうなってるのか考えながら毎日寝てたんだ!」


「今はつらいこともたくさんあるけど、大人になったら自分の気持ちに嘘をつかないで生きられるって思って、楽しみにしてたんだ!」


「でも、大人のボクはなんだか楽しくなさそうだね?」


「ねぇなんでお外に立ってるの?」


「傘差さないと濡れちゃうよ?濡れたかったの?」


「ボクもね、たくさん泣きたくなるよ。大人のボクも、泣きたくなるの?」


雨の雑音に紛れて本音を閉じ込めるようになったのはいつからだ。


大人になったって何も変わりゃしない。

むしろ、

生きにくい過去の残滓(きおく)と突き刺さる言葉はより一層増えていく。


それでも、

手に入れられる幸せの選択肢は増えたのかもしれない。


幸せは誰かから与えられるものだと思ったままなら、傷つかずに済んだのかもしれない。


あの頃から、ボクは何も変わらない。

あの頃から、ボクは泣き虫なのを隠してた。


未来には虹がかかると信じて


昔から、ボクは雨(じぶん)が嫌いだ。


時間は目安です。

子供の早口と大人の焦りって
根本的なところが似てるなぁと思って書いたお話です。